シロアリ駆除を自分でする場合に失敗しないポイントと注意点

公開日 2017年6月17日
更新日 2018年9月20日

シロアリの蟻害

シロアリ駆除業者に依頼する前に、自分でシロアリを駆除してみたいと思われる方もいらっしゃると思います。

ホームセンターやガーデニング専門店に行くとシロアリ駆除剤が販売されており、誰でも簡単に購入することができるのもひとつの要因でしょう。

駆除剤を手に入れれば、手軽にシロアリを駆除できそうに思いますが、

シロアリ種別にあった薬剤と使用法
被害状況に適した対応と知識

など、シロアリに対する正しい知識がなければ、巣ごと駆除して再発を防止することは難しいと思います。

というのも、シロアリは他の害虫被害と違って地中や木部内に巣を作るため、シロアリの被害がどれほど深刻なのか、目視では分からない場合が多いからです。

シロアリはゴキブリと同じ種類のため繁殖力が非常に高く、2万頭から大きいものでは100万頭のコロニー(母集団)を形成します。

また、シロアリの種類や状況によっては巣がひとつではない場合もあるため、素人の方が一見しただけで、すべての巣を見分けることは不可能に近いと思います。

見えている箇所に市販の薬剤を塗布すれば、シロアリ被害の進行を遅らせることはできるかもしれませんが、薬剤を吹き付けた箇所に出現しなくなるだけで、最悪の場合は家の奥に逃げ込んで被害を拡大させてる恐れがあります

結果として、シロアリの巣を完全に除去することができなければ、シロアリの被害が再発することになります。

  • 羽アリをみた
  • 床がぶかぶかするようになった
  • 垣根の根本が腐ってたり、細くなってたりしている
  • 扉などの建て付けが悪くなった

など、シロアリの被害がひどくなっている場合は、
すぐにシロアリ駆除専門業者に相談をしたほうがよいでしょう。

今回ご紹介する内容は、あくまでも最小限の被害の段階での対処法として、参考にしてもらえればと思います。

既に床下一面が蟻道で覆われていて、シロアリ被害が大きいようであれば、
今すぐにでもシロアリ対策業社に相談して、巣ごと駆除しなければいけません。

では、実際に自分でシロアリを駆除する時に、押さえておきたいポイントと注意点をお伝えします。

シロアリ(白蟻)駆除はプロに頼んで巣ごと駆除しよう。

まずは床下に潜って被害箇所を特定する

シロアリ被害を止めるには、巣ごと壊滅する必要があるため、
シロアリの巣を探し出す事が駆除への第一歩となります。

シロアリの巣が特に多く見られる場所は水回りが多く、
お風呂場やトイレ、玄関やキッチンなどに集中しています。

ユニットバスではなく在来工法のお風呂は要注意が必要なので
床下に潜って水回り周辺を重点的に点検しましょう。

床下に潜る準備

床下は1人で潜っても余裕がないほど、想像以上に狭い場所ですので、
汚れてもいい長袖、長ズボン、運動靴などを着て潜りましょう。

安全のため、防毒マスクや防護メガネ、防護頭巾、手袋なども着用しましょう。

蟻道(ぎどう)や食害部を探しましょう

シロアリの巣は土中や壁中などにあるため
目視で発見することは難しいのが現状です。

そこで点検方法としては、まず床下を確認する際には基礎や束などに
蟻道と呼ばれる蟻の通り道がないかを探してみてください。

シロアリは外側を残して中だけを食べますので
土台や大引き、床が浮いているような場所などは
叩いて音の違いを確認しましょう。

万一、シロアリに木材が食べられてる場合は
叩くと音が軽い、または他とは違う音がするなどの違いがあります。

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次にシロアリの種類を確認する

シロアリの種類によって使用する薬剤が異なるため、
購入する前にシロアリを目視確認する必要があります。

日本で建物などに被害を与える代表的なシロアリは、
「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」の2種類で、
その割合はおよそ99%程度と言われています。

ヤマトシロアリ

ヤマトシロアリ 職蟻と兵蟻
ヤマトシロアリは湿った木材を好むため、台所や洗面所、風呂場やトイレなど、水回り周辺を中心に被害をもたらします。

また、雨漏りや水漏れなどが原因で、シロアリが発生するケースもあり、
床下基礎を支える木部が食べられてしまうことが多いです。

羽アリの発生時期はゴールデンウィーク頃のあたたかい正午ごろ。黒色の羽が特徴です。

イエシロアリ

イエシロアリ 職蟻と兵蟻

世界でも非常に厄介なシロアリとして知られ、
被害は湿った木材だけでなく建物全体にも及ぶ危険種です。

加害スピードも速く被害は甚大で、古材より新材を好んで加害します。
地中に巨大な巣をつくります。

羽アリの発生時期は6月~7月のあたたかい湿度の高い夕方ごろ。
身体は黄褐色、羽は淡黄色です。

自分でシロアリを駆除する一般的な2つの方法

自分でシロアリを駆除するならば、
「薬剤散布法(バリア工法)」と「ベイト工法」のどちらが一般的です。

建物の状況によってはやれない場合もありますので、
どちらが当てはまるのかを確認してから進めたほうがいいでしょう。

薬剤散布法(バリア法)とは

薬剤散布法とは、地下からシロアリが侵入しないように、
専門の薬剤を床下や柱・壁内に直接散布・注入してシロアリを駆除する方法です。

建物の床下の土壌やコンクリート面に薬剤を吹きかける「土壌処理」や、
建物の木材に薬剤を吹き付ける「木部処理」があります。

土壌処理とは

土壌処理は、建物の床下の土壌やコンクリート面に、薬剤を吹きかけてシロアリが建物に侵入してこないように処理する方法です。

シロアリが建物に被害を及ぼすときは、地中を通って家の中に侵入してくることがほとんどです。シロアリが地上に出て来られないようにするので効果的。最近では、シロアリ対策の他に、土壌からの水分蒸散防止を目的とした土壌被膜形成工法やシート工法も採用されるケースも増えています。

シロアリ対策と同時に、床下の防湿を行なうので建物全体の湿気を防ぎます。

木部処理とは

木部処理は、建物の木材表面に害虫駆除用の薬剤を噴霧器で吹き付け処理するシロアリ対策です。

木材の中に生息しているシロアリを駆除したり、シロアリが建物に侵入したりするのを防ぎます。新築の建物の場合は、通常、地面からの木材、浴室回り木材、洗面所や台所等の水回り部分の木材に薬剤を吹き付けて処理します。

刷毛等で塗布する方法と、木材や壁体に穿孔して薬液を注入する方法があり、必要に応じて穴を開けて薬剤を注入します。被害状況によっては土台や束に穿孔し、柱内部に薬剤を注入することもあります。

状況によって使い分けると良いでしょう。

しかし、実際に作業を行うとなると、床下は真っ暗で湿気も高く作業者の動きが制限されるため、プロの業者でない素人が施工をするのは現実的ではありません。

結局のところ、建物の表面にのみ薬剤を撒くことしかできず、土中のシロアリの巣を全滅できません。地上に出てきたシロアリの退治のみ行うことになります。

実際に作業を行うとなると、
薬剤を直接撒くので、床下にもぐる必要がありますので、
それなりの装備が必要になります。(防毒マスクや防護メガネ・長袖長ズボンなど)

また、床下は真っ暗で湿気も高く、動きも制限されるため、
専門業者でない素人が施工するのはかなり難しいと思います。

薬剤散布法(バリア法)のメリット

  • 実際に発生している場合早期に駆除できる
  • 床下木材の腐食の予防効果がある
  • 費用が比較的安くすむ

薬剤散布法(バリア法)のデメリット

  • 素人で作業するのは困難
  • 装備品を準備するのが大変
  • 床下に侵入するため穴を開ける可能性がある

ベイト工法とは

ベイト工法は「薬剤散布方法(バリア工法)」と違い、建物に直接実施するものでなく、
建物の周囲に特殊な筒を埋め込むだけですので、
お子様やペットへの影響を心配される方に適した工法です。

ベイト工法をする場合、量販店で「ベイト剤」と呼ばれる筒を購入し、
建物の周囲の地中に複数の筒を埋め込みます。

筒の中には駆除剤の入った餌が入っており、
シロアリが食べると、脱皮ができなくなり死んでしまいます。

この餌は遅効性なので、すぐに死ぬことはありませんが、
シロアリはよい餌をみつけると仲間を呼び、巣に持ち帰る習性があります。

それを利用して、巣の中のシロアリまでも壊滅させるのが
「ベイト工法」の仕組みになっています。

ベイト工法のメリット

  • 建物に穴を開けなくてもいい
  • 薬剤をあまり使わず人体の影響が少ない
  • シロアリの巣を全体的に駆除できること

ベイト工法のデメリット

  • すぐに効果が現れない
  • 定期点検が必要なこと
  • 継続的な費用が発生すること
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羽アリが発生したときの注意点

羽アリは玄関や風呂場などから飛び立つことが多く、
数は多いときで数万匹にも達することがあります。

では、羽アリが大量発生した時の駆除方法をお伝えします。

殺虫剤は使用しないこと

シロアリは警戒心の強い生き物なので、
殺虫剤を使用するとシロアリが警戒して逃げてしまう可能性があります。

またシロアリの羽は取れやすく、殺虫剤の油でベトベトになり、
部屋中に羽アリの死骸や羽が付着して掃除が大変になります。

羽アリを散らさないこと

羽アリがいる場所からそう遠くない場所にシロアリは生息しています。
殺虫剤を吹き付けて羽アリが逃げてしまうと、
最悪の場合、別の離れた場所に巣をつくる可能性があり、
さらに被害を拡大するおそれがあります。

その後の駆除が非常に困難になる可能性が高いので、
殺虫剤で駆除したい気持ちをぐっと押さえて、
シロアリを刺激しないことでその後の駆除がしやすくなります。

羽アリの処理は掃除機で吸引する

羽アリは、いろんな場所から飛び立つのではなく、
「郡飛孔」と呼ばれる穴から飛び立つと言われています。

そのため、羽アリが集中する箇所を重点的に掃除機で吸い取りましょう。

羽アリの多くは吸い込まれる際の圧力などの衝撃で死んでしまいます。
そのくらい弱い生き物です。

仮に生きていたとしても、水分を取ることができませんので、
24時間以内に死ぬのでご安心ください。

掃除機で吸いきったら、シロアリが出入りしている箇所を
ガムテープなどで塞いで、侵入できないようにしてください。

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自分で駆除はデメリットが多い

シロアリの駆除について簡単にまとめましたが、いかがですか?

バリヤ工法は難しそうだけど、ベイト工法ならやれそう!
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、シロアリは完全に駆除しなければ、
再び活性化し、大切な建物に甚大な被害をもたらします。

被害にあった場所に駆除剤を処理すれば、
目の前にいるシロアリたちは死に、姿がなくなるでしょう。

そのため「駆除できた!」と思いがちですが、
シロアリの大半は見えない部分で活動をしているため、
完全に駆除できてない場合が多いです。

また、シロアリは常に「食べる」と「移動」を繰り返していますので、
その場所にはおらず、他の場所に移動していることもあります。

自分でシロアリ駆除してみたけど再発してしまった…

という声をよく聞きますが、理由はもうお分かりになりますよね?

シロアリは完全に駆除しなければ、ほぼ意味がありません。

これらのことを考えると、「餅は餅屋」といいますが、
シロアリ駆除は豊富な知識と技術をもったシロアリ駆除専門業者に
依頼するのが得策だと思います。

不安な点があれば遠慮なくご相談ください。
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記事の監修 石川 健一(いしかわ けんいち)

日本しろあり対策協会認定「しろあり防除士」

1968年愛知生まれ。一部上場マンション・ハウスメーカーからの転身者という経歴を活かし、「住宅設備を知り尽くした害虫駆除マスター」として大手家電量販店のリフォームセンター業務に従事。シロアリ駆除から水回りの湿気対策まで、床下に特化した工事を多数手がける。

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