羽の生えた蟻を見かけるけどこれってシロアリかも…と疑問に思っていませんか?シロアリなら早めの駆除が大切ですが、初めて見る時には判断に迷うものです。 そこで今回は、羽蟻とシロアリの違いや羽アリを簡単に見分ける方法についてご紹介します。
羽アリが大量に発生する原因は複数ありますが、その一つの要因が天候の変化です。春から夏にかけて気温が高くなると、羽アリは巣を活発に作るために出現します。また、雨が多い季節にも、巣が水浸しになることで羽アリが新しい場所を求めて飛び立つことがあります。
また住まいの状態によっても羽アリの発生要因があります。例えば、庭の切り株を放置していることがシロアリの餌となり、これらが原因で羽アリが大量発生することがあります。
羽アリには大きく分けて「クロアリの羽アリ」と「シロアリの羽アリ」がいます。
これらを見分けるには「羽アリの体形」と「羽アリの発生した時期」を確認するのが1番です。シロアリとクロアリの違いを、画像付きで比較しましたので参考にしてください。
まずは羽アリの体型、特に羽の大きさを見比べてください。
シロアリ | ①触覚:じゅず状でまっすぐ ②羽:前後の羽は同じ大きさ 羽がすぐ取れる ③胴:くびれがない |
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クロアリ | ①触覚:くの字型 ②羽:前羽は大きく後羽は小さい 羽が取れにくい ③胴:腹部がくびれている |
シロアリは「4枚の羽の大きさがほぼ同じ」に対して、クロアリは「羽の大きさが前後で違う」ため、とてもわかりやすいです。
またシロアリの羽は、取れる構造になっているので、半透明の羽がたくさん落ちていたら、シロアリの可能性が高いです。
ちなみに、日本でシロアリ被害をもたらすシロアリの約99%は「イエシロアリ」「ヤマトシロアリ」になります。
冷静によく観察すれば、シロアリか否かは判断できますが、万が一にも間違えたら大変ですので、羽アリが出てきたら、虫を数匹捕獲した上で、専門業者に確認してもらうくらいの慎重さが大切だと思います。
アリの種類によって飛ぶタイミング(季節・時間)が違いますので、そこから種類を判断することもできます。
ヤマトシロアリ | ①時期:3月頃から5月中旬にかけて ②時間:日中に群飛 ③特徴:湿潤な木材を好み、建物の下部材を主に加害する。 雨もりがあると、小屋組材まで加害することがある。加害速度は比較的遅い。 |
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イエシロアリ | ①時期:5月下旬から梅雨明けまで ②時間:夕方から夜にかけて群飛 ③特徴:湿潤な木材だけでなく、被害は建物全体に及ぶ。 加害速度は速く、被害は激烈である。古材より新材を好んで加害する。 |
ゴールデンウィーク前後・羽アリ群飛はヤマトシロアリで要注意!!
タイミングとしては夜中から早朝まで降った雨が止み、その日の気温がグングンと上昇した蒸し暑い日の11時~14時まで発生するパターンが一番、ヤマトシロアリは多いです。
梅雨時期の夕方から夜に出てくる羽アリはイエシロアリで要注意!!
イエシロアリは梅雨時期の6月~7月にかけて、夕方以降で電灯や灯りに群がるのが特徴です。
ただし、外来種のアメリカカンザイシロアリの羽アリは6月から7月が発生のメインですが、条件によっては一年中発生することがあります。
関連:【羽アリが出やすい時期】シロアリとクロアリの羽アリが出やすい時期を解説
クロアリの羽アリは、お家に被害を与えるわけではありません。
ただし、お風呂場やトイレ、玄関などの室内で大量発生していた場合は、シロアリ専門業者に床下調査を依頼することをおすすめします。
シロアリの天敵である「クロアリ」が大量発生しているのは、以下2つの可能性が高いからです。
家の中で大量にクロアリが発生してしまっている場合には、捕食するシロアリも近くに生息していると考えてください。
写真や発生時期などから判断してみて、目の前にいる羽アリは「シロアリ」だったでしょうか?
見つけた羽アリが黒蟻(クロアリ)であれば特に心配する必要はありません。まずはひと安心ですね。
一方でもし、「シロアリ」の羽アリだった場合は、すぐに駆除業者に相談することをおすすめします。
家から羽アリが大量に飛び出したということは、少なくとも3年以上前から建物内部でシロアリが繁殖活動を行っており、家の基礎や床下を中心に、シロアリ被害にあっている可能性が高いためです。
新たな巣を作らなければならないほど、巣にたくさんのシロアリが繁殖しているので、特に数百匹や部屋を覆い尽くすほどの羽アリが出た場合は素人での判断は困難です。
羽アリが出なくなったからといって、放置するのは絶対にやめてください。
羽アリの大量発生は、一般的に10分~30分と短い間に数百匹以上発生し、通常2~3日もすれば出尽くしてしまいます。
羽アリが出なくなったからといって、駆除しなくても大丈夫と放置される方もいらっしゃいますが、飛び出した羽アリは巣にいる全シロアリの1~3%にしか過ぎません。
多くの残ったシロアリが食害を続けていきますので、放置するのは絶対にやめてください。シロアリは年中無休で食害を行いますので、被害がどんどん大きくなるだけです。
シロアリは数万~数十万頭以上でコロニー(巣)を形成しているため、巣ごと駆除しなければシロアリ被害がとまりません。
賃貸の場合
大家さんに相談、もしくは不動産管理会社に相談しましょう。
持ち家の場合
専門のシロアリ業者に調査を依頼してみることをおすすめします。
羽アリが発生するとその量に驚くと思いますが、まずは落ち着いてください。
毒があるわけでもないですし、人間に攻撃を仕掛けてくるわけでもありません。
重要なのは慌てず、被害を拡大させない初期対応を行うことです。
やってしまいがちなのが羽アリに向かって殺虫剤を吹きかけてしまうことです。
市販の殺虫剤は虫が嫌がり避けてしまう忌避(きひ)成分が入っているため、生き残ったシロアリが、建物の奥深くに逃げ込んでしまい、その後の駆除が困難となります。
そこで応急処置として、「掃除機」か「ビニール袋」を使う方法をご紹介します。
羽アリが大量に出てきた場合、一番簡単なのは掃除機で吸い取ることです。シロアリの羽アリはとても弱い生き物で、掃除機で吸いこまれるときの圧力で死んでしまいい出てきません。羽アリは数十分、2~3日で出尽くしてしまい、長くても1週間です。
ドア枠や框等、発生場所を覆うようにポリ袋(ビニール袋)をかぶせて、中に羽アリが溜まるようにします。ある程度たまったら口を結んで捨てて、また新しいポリ袋をかぶせます。
羽アリが出てきた穴に向かって、殺虫剤を噴霧しないでください
羽アリが出てきている穴にスプレーをしたり、熱湯をかけたりは決して行わないでください。発生箇所に殺虫剤などをスプレーしてしまうと、危険を察知した羽アリやシロアリが進行方向を変えるため、かえって被害範囲を広げる恐れがあります。
調査や駆除が困難になってしまうので、出来るだけ放置し、必要なら発生箇所をテープで塞ぐなどの応急処置をしましょう。
シロアリの駆除方法は、種類によって異なります。
可能であれば「羽アリ」や「羽」をビニール袋で保存しておくと、後日専門家が調査をした時に、すぐに判別できるので役立ちます。
判断がつかない場合は、家屋の内外への調査で専門家が判別いたします。
羽アリを見たら、まずは「シロアリ」か「クロアリ」なのか冷静に観察しましょう。見分けるポイントは羽(はね)や触覚、胴体のくびれの有無です。シロアリの疑いがある場合は、できるだけ早く大家さん(不動産管理会社)や、専門のシロアリ業者に相談をして床下調査を依頼しましょう。
自分でどうしても羽アリを駆除したい場合は、
「ガムテープで侵入口をふさぐ」
「掃除機で吸い込む」
とよいでしょう。
決してシロアリが発生した箇所に殺虫剤をスプレーしないでください。シロアリが危険を察知して進行方向を変えてしまい、かえって被害範囲を広げる恐れがあるからです。
「床下基礎はコンクリートだから」
「風通しが良くて乾燥しているから」
と過信してはいけません。
シロアリはどこでもいます。
どれだけ家が乾燥していても、どのような工法でも数ミリのほど隙間があれば、シロアリは侵入してきます。あの時点検しておけば……工事しておけば良かったな……とならないよう、床下点検を数社に依頼してみてください。
家を支える基礎をシロアリから守ることは、地震対策にもつながります。家族の大切な住まいを、今一度見直してみてはいかがでしょうか?
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1968年愛知生まれ。一部上場マンション・ハウスメーカーからの転身者という経歴を活かし、「住宅設備を知り尽くした害虫駆除マスター」として大手家電量販店のリフォームセンター業務に従事。シロアリ駆除から水回りの湿気対策まで、床下に特化した工事を多数手がける。