シロアリは木材だけでなく、コンクリート、ゴム、紙、目の前にあるものならほとんど食べてしまいます。シロアリが発生している状態を放置してと家の基礎強度が落ちて、地震発生時には家が傾く恐れがあるほどです。
日本国内でも20種類以上のシロアリの生息が確認されていますが、ここでは家屋などに深刻な被害をもたらす代表的なシロアリを3種類ご紹介します。
特に私達を苦しめる代表が、『ヤマトシロアリ』と『イエシロアリ』、そして近年になって猛威を奮っている『アメリカカンザイシロアリ』です。
アメリカカンザイシロアリは、その名の通り外来種になります。もし、家にシロアリが大量に発生すると、普段よく見る黒アリと、シロアリの区別が素人には難しいかもしれません。観察すればはっきりとわかる見分け方を説明します。
特徴を捉えて見ればはっきりと違いがわかります。
もしも黒アリとシロアリの対処を間違えてしまうと、余計な手間と費用がかかってしまう恐れがあります。なので注意が必要です。
もしもどうしてもわからない、となってしまったら、数匹の羽アリを捕まえて業者に確認してもらいましょう。
シロアリには乾燥に強いタイプ、そしてそうでないタイプがいます。
前述の『ヤマトシロアリ』と『イエシロアリ』は乾燥に弱いタイプです。
しかし、蟻道(ぎどう)と呼ばれる通り道をつくり、乾燥への対策がしっかりしています。
この蟻道があるため、乾燥した場所へも侵入します。驚くべきことに蟻道(ぎどう)は、空中にも道を作ってしまいます。
そして乾燥に強いタイプなのが、『アメリカカンザイシロアリ』です。アメリカカンザイシロアリは、蟻道(ぎどう)をつくりません。
ある日突然飛んできて、家に住み着きます。湿気がなくても木の中だけで生きられます。
天井裏から床下から、すべての木材、木製品に被害を生じさせます。本当に、恐ろしい存在です。
家にシロアリがいるのを見つけると、駆除しようと考えますよね?
駆除するには、「確実に駆除できて、人体への影響が少なく、できれば安く駆除したい」と、考えてしまいますよね。
素人が薬剤を使用して、家からシロアリを根絶させることはできるのでしょうか?
ズバリ答えは、ほぼ無理です…。
シロアリはそんなに甘い存在ではありません。これにはきとんとした理由があります。
まず驚くべきなのは、シロアリの生命力です。女王アリは不眠不休で卵を産み続けることができるんです。
その数は1日で100個以上といわれており、女王アリを駆除しなければ表面上に見えるシロアリを、どれだけ多く駆除したところで、時間が経過すれば卵から孵化して、またいずれシロアリは発生してしまう事態になってしまいます。
さらに孵化した大量のシロアリは、生息範囲を拡大させていき、地中や木材に巣をつくり、床下や柱から浴室や天井裏まで、侵食していきます。
屋根裏や浴室、家の中の様々な場所と、侵食範囲は拡大していきます。外からも新しいシロアリがやってくるかもしれません。
「侵入経路を素人が、特定できるでしょうか?」
「屋根裏や、人の手が届きにくい場所に、薬剤をけるでしょうか?」
「シロアリの巣を見つけ出し、取り除くけるでしょうか?」
以上のことから、シロアリの駆除は数ある害虫駆除の中でも、とりわけ駆除をすることが難しいとされています。
無数に出現してくるシロアリを、完全に根絶させるには、その元となる巣を見つけ出し、対処する必要があります。
ですが、それは本当に難しく、知識も何もない素人がその巣を見つけだし、さらにシロアリの卵を見つけ駆除に至るまでには、かなりの苦労をすることでしょう。
効率よくシロアリを駆除するには、シロアリの生態に合わせて、その方法を選ばなければなりません。
対処が遅れればその分だけ、被害が増える可能性があります。
自己流での薬剤をまいても、根絶には至ることは難しく、終わることのない被害を体験することになるかもしれません。
結果、余計な費用が重なることになります。
まず言えるのは「使用量を間違えれば、どんな薬剤も安全ではない」ということです。
例えば病院で処方される薬も、飲み方を間違えれば人体に悪影響となるため、医師の診断によって容量や用法が決められているわけです。
シロアリの駆除薬剤にも同じことが言え、正しく使わなければ安全ではありません。
現在、シロアリ予防駆除に使われている薬剤は、「安全性の高いもの」がほとんどですが、これは薬剤を使用する用法・容量を守った場合のみです。
また、過去に安全性が高いと言われていた薬剤が、後に安全ではないことが発覚して使用禁止となった薬剤の例もあります。
それでも、自分で駆除したい場合は、シロアリの駆除薬はホームセンターでも購入が可能です。ホームセンターだけでなく、インターネットでも購入可能です。
つまり、購入すること自体は簡単なことなんです。シロアリの駆除薬には、木材に使用する場合と土壌に使用する場合、そしてシロアリに食べさせ巣まで運ばせる場合とあります。
以下は、代表的な駆除薬についての解説です。
有機リン系化合物
市販されている殺虫剤の多くは、この有機リン系殺虫剤になります。
有機リン系殺虫剤は、化学兵器開発途中に考案されたものであり、人間にとっても有害です。
(あの「サリン」もこの有機リン系殺虫剤の一種になります)
ネオニコチノイド系
シロアリの駆除剤として最も多くの製品に含まれているのが、ネオニコチノイド系だと言われています。
臭いが少なく、木製品の防腐剤としても使われています。人体への毒性は低いと言われています。
水に溶けやすいため、土壌の流出に注意が必要です。
ピレスロイド系
除虫菊の研究から開発されたもので、主な作用は神経麻痺です。
速効性で、残効性があるものが多い種類になります。
蚊取り線香にも使用されている成分になります。
フェニルピラゾール系
少量の薬剤で非常に高い効果を発揮する。
毒性が強く、マイクロカプセル化して安全性を高めたものが開発されている。
カーバメート系
カーバメート系の有効成分であるフェノブカルブが、シックハウスの原因となる物質になる可能性があり注意が必要です。
作用は有機リン系化合物と似ている効果があると言われています。有機リン系化合物に次いで種類が多いです。
いかがでしょうか? 横文字の名前の難しい薬の種類ですよね?
「正直覚えきれません…。」
怖いことに、これが全てではなく、ほんの一例なのです。
確かに、ホームセンターで売っている薬剤でも、シロアリの駆除は可能です。ですが根絶は薬剤だけの力では難しいです。
インターネットで専門の業者から、より成分の強い薬剤を購入することも可能ですが、それでも根絶は難しいでしょう。
シロアリ駆除に大切なのは、薬剤の使い方です。薬剤は適切に使用できなければ、効果が薄まってしまいます。
シロアリの生態から始まり、駆除の方法、そして薬剤の効果や影響をしっかり考慮した上で、駆除は行っていかなければなりません。
昔のシロアリ駆除といえば、「クロルデン」という有機塩素系の非常に強力な薬で、その殺虫力の高さから一度駆除の薬剤を使用して消毒すると、その家は生涯シロアリ被害を受けないとまで言われたほどでした。
しかし1986年に分解されにくく蓄積性が高いことが問題となり、第一種特定化学物質に指定され、使用が禁止となりました。
クロルデンの使用が禁止になった後、シロアリ防除の薬剤として有機リン系殺虫剤が多く使用されました。
中でも殺虫力が非常に強力な、クロルピリホスがよく用いられていました。
しかし、この有機リン系殺虫剤も1997年(平成9年)には、シックハウス症候群の一因として考えられるようになり、安全性の疑問が新聞に掲載されるなど敬遠されるようになりました。
その後2000年には社団法人シロアリ対策協会が、クロルピリホスを含む薬剤の自主規制を始め、2003年(平成15年)には建築基準法の改正により全面的に使用禁止となりました。
今も昔も、シロアリの駆除の主流は薬剤の使用です。昔に比べると、薬剤も進歩しており、人体や環境への影響は小さくなっていると言えます。
しかし、薬品である以上、駆除薬の影響はゼロにはなりません。
例えば、「シックハウス症候群というものを聞いたことはありませんか?」
実は、シロアリ駆除薬の影響でも、発症してしまう場合があるようです。
シックハウス症候群とは、住宅に由来する様々な健康障害の総称になります。
住宅内の空気が汚染されたことが原因で発生する体調不良を指す場合が多く、健康被害としてはめまい、集中力の低下、不眠、視力への影響、だるさがあります。
他にも、頭痛、関節痛、喉頭痛、腹痛、など痛みを伴う症状も出てきます。
原因の多くは家屋など建物の建設や家具製造の際に、利用される接着剤や塗料などに含まれるホルムアルデヒド等の有機溶剤なのですが、シロアリから木材を守るための防腐剤にも原因があるようです。
他にも特に注意が必要な影響について説明します。
妊娠中の方への影響
シロアリの駆除薬は農薬に含まれるような、神経毒のものも存在します。
胎児への影響があるため、妊婦の方は薬剤を散布中は近づかないようにしたほうがいいですね。
犬や猫などペットへの影響
人体への影響が小さい薬剤だとしても、体の小さな犬や猫などのペットには強い影響が出てしまう場合があります。
特に、魚類や爬虫類などには影響が強く出てしまうような薬剤もあるので、使用上の注意をよく読んで使用する必要があります。
また強い毒性を持つ薬剤の場合は、マイクロカプセル式になっている場合があり、人体に配慮されています。
ですが、犬や猫などは誤飲の恐れがあります。
子供への影響
身体がまだ発達しきっていない状態のため、子供が近くにいる場合でのシロアリ駆除薬の使用は注意が必要です。
強いアレルギー反応が出てしまったり、喘息や脳の発達に影響を及ぼす可能性があります。
駆除薬は人体へ配慮と注意がされているとはいえ、万が一の被害が及んだとき最初に影響を受けやすいのが赤ちゃんや子どもです。
また誤飲の恐れもあるので、手の届く範囲に置くことは控えるべきです。
シロアリの被害から家を守ることが出来た。しかし、家族の健康は損なわれてしまった。
なんてことになってしまったら元も子もありません。
一時の行動が、今後の将来を左右しかねない状態になるかもしれないのです。
現在シロアリ防除に使用されている薬剤は多数ありますが、社団法人日本シロアリ対策協会の認定薬剤には各メーカーが登録を行っており、その中からそれぞれの業者にとって使用しやすい薬剤を、それぞれ選んでいます。
現在使用されている薬剤の効果は約5年間です。
以前使用されていた薬剤は一度シロアリの消毒すれば、その建物は生涯シロアリ被害にあわないと言われてきましたが、現在使用する薬剤は5年間で薬効がきれます。
これがどのような意味なのかお分かりでしょうか?
シロアリ防除の薬剤は、社団法人シロアリ対策協会が安全性と効果を評価し、良いと判断されたものだけが認定薬剤として登録され、販売されています。
5年で薬効が切れてしまう薬剤なんて、本当にシロアリを駆除できるのか?という考えも出てきます。
現在は化学も進歩し、技術も向上し良い製品が非常によくあります。
弊社で取り扱っているシロアリ防除の薬剤は、有効成分が非常に微小なマイクロカプセルで包まれており、昆虫の口腔内で潰れ、鳥類や哺乳類などの温血動物では壊れないような仕組みになっています。
そのため弊社で使用しているものは、自信を持って安全性の高い薬剤と言えることができます。
リムケアで使用しているシロアリ駆除用薬剤は、シックハウス症候群の原因物質は含まれておらず、毒性が極めて低く抑えられています。
また、液体の薬剤に関しては蒸気圧が極めて低く、液体が蒸発しにくいので空気中に薬剤が広がりにくく、安全性も高くなっています。
もちろん「日本シロアリ対策協会」と「日本木材保存協会」の認定を受けた薬剤のみの使用です。
気になるニオイもほぼありません。
施工中や施工後も安心して普段通りの生活をしていただいて結構です。
どうしても気になるという方は、換気をしていただければ大丈夫です。
シロアリ業者に駆除を依頼すると、自分でホームセンターに赴き駆除薬を購入する以上の費用が、まず間違いなく必要です。
しかし、豊富な種類がある駆除薬の中から、適切な薬品を選んで適切に使用でき、人体への影響を最小限に留める範囲で、薬剤を使用できる業者の存在はとても心強いものではないでしょうか?
ここで、薬剤を使用する際の業者のメリットを挙げます。
住宅への配慮が可能
屋根裏や、床下など、素人では薬剤を撒くことが困難な場所にシロアリは潜んでいます。
時には穴を開けたりしなくてはならないかもしれません。業者はシロアリがいる場所を見極めて、駆除に至るまでの被害を最小限にすることができます。
二次被害の対策をする
薬剤をイタズラに撒いてしまうと、シロアリが近隣の住宅へ逃げてしまう場合があります。
そうならないよう、対策を講じてくれます。またシロアリの卵の駆除も行ってくれます。
駆除に必要な時間が短い
薬剤を散布している最中は、家の中にいれません。作業時間はできるだけ短い時間が嬉しいですよね。
適切な薬剤の使用により量を減らせる
薬品の使用が少なければそれだけ、その後の家への影響や、人体への影響が少なくなります。
自分で駆除を行った住宅のほとんどは、完全な駆除ができないと言われています。
そしてそれは、数年後に再び被害として判明します。
実際、自分自身で駆除したけど数年後に、再びシロアリが大量発生して業者に駆除の依頼をしたケースもあるようです。
かつてシロアリ駆除剤には、大変毒性の強い物質が使われていました。
それが人間への健康被害を生み出した結果、薬剤は何度も改良され、現在使用されているような物質へとかわってきました。
昔に比べて今のシロアリ駆除剤は、効果が短くなっていますが、それは人体への影響を配慮した薬剤を選んだ結果ということになります。
現在のシロアリ駆除剤については、
ということが、とくに重要な点であると言えるでしょう。
昔よりも人体にやさしい薬剤が使われているのは確かですが、危険性が完全に払拭されたわけではありません。
シロアリ駆除の際は駆除剤の特徴を押さえて、慎重に使用するようにしましょう。
シロアリ駆除のリムケアは、顧客満足度に特化したサービスを提供しています。
リムケアの施工スタッフは実力のあるメンバーばかりです。シロアリでお困りのようでしたらコチラでリムケアを詳しくご紹介していますのでぜひご覧ください。
1968年愛知生まれ。一部上場マンション・ハウスメーカーからの転身者という経歴を活かし、「住宅設備を知り尽くした害虫駆除マスター」として大手家電量販店のリフォームセンター業務に従事。シロアリ駆除から水回りの湿気対策まで、床下に特化した工事を多数手がける。