シロアリは、予防手段をしっかりとすれば、被害を未然に防ぐことができます。 今回は、シロアリの予防について詳しく紹介します。
シロアリがどこからやってくるのか、不思議に思ったことはありませんか?
気がつけば、いつまにかいる…。そんなイメージがあるシロアリですが、実はシロアリは地中に潜んでいます。
もちろん、羽を持っているので飛んでくる場合もありますが、ほとんどの場合はその土地に周辺に潜んでいます。
シロアリ生息している周辺に家を建てると、シロアリが好んで食べるのはやはり木材です。
日本は木造建築が多いので、シロアリにとってはごちそうが、いきなり出てきたように感じてしまうでしょう。つまり話をまとめると、シロアリはどこにでもいるということです。
シロアリの分布は日本全国に及びます。特に「ヤマトシロアリ」というシロアリが多いです。このシロアリは北は北海道、南は沖縄まで幅広く生息しています。
日本での被害は、ヤマトシロアリによる被害が多いですが、それとは別でもう1種類「イエシロアリ」というシロアリによる被害があります。
シロアリの知識がないと、この2種類の違いはわかりません。しかし、繁殖時期と活動する時間帯で「ヤマトシロアリ」と「イエシロアリ」を区別することができます。
ヤマトシロアリは、4月~6月頃の、雨上がりの昼間に活発に活動します。
イエシロアリは、6~7月頃の、夕方から夜に活動します。
イエシロアリの巣は固定の場所にあり、王と女王がいる本巣の外に分巣があります。数が増え、巣が大きくなるとさらに際限なく分巣が増えていきます。
ヤマトシロアリの巣は流動的で、環境の変化に対応して移動します。
なぜシロアリの見分け方を紹介したかというと、このシロアリの種類によっても適切な予防の仕方、処理の仕方もかわってくるからなんです。
シロアリの被害を未然に防ぐ予防方法を説明する前に、シロアリの被害を放っておいてしまったら、大切な家がどんな結末を迎えてしまうのかご紹介します。
結論からいうと、家屋の倒壊に繋がります。床下の躯体部分や壁、そして屋内に入り畳や床、そして押入れの中、タンスなど、標的を上げるなら家の中の全てになります。
シロアリは雑食で、ガラスや陶器以外のものは何でも食べてしまいます。
ここで問題になるのが、日本が地震大国であることです。家を支える躯体部分をシロアリがぼろぼろにしてしまい、そんなぼろぼろな状態で強い地震に見舞われたらどうなるか、非常に簡単に想像がつきます。
事実、大きな地震で倒壊する建物は築年数が高いだけでなく、シロアリ被害によるケースも確認されています。
例えば1995年に発生した阪神淡路大震災です。この大震災で倒壊した一般家屋の7割ほどが、シロアリ被害で深刻なダメージを与えられていたことが報告されています。
大きな地震で倒壊する建物は築年数が高いだけでなく、シロアリ被害によるケースも確認されており、地震により倒壊した一般家屋の多くでシロアリ被害が確認されたという、国土交通省の調査結果も出ています
その他にも、カビの被害が考えられます。シロアリは蟻道と呼ばれる通り道を作ることができます。実はこの蟻道は水分を運ぶ役割もするため、カビが発生しやすくなります。
そうなることでどんな被害が出てくるかというと、人の健康に被害が及ぶシックハウス症候群の恐れが出てきます。
このシックハウス症候群は、頭痛やめまい、吐き気、のどの痛みなど、様々な健康被害の総称として用いられます。その原因としてシロアリの糞、そしてカビが挙げられています。
シロアリの侵入を許し、そしてそのままにしてしまい被害を受け続けてしまっていたら、健康にも、そして家そのものにも取り返しのつかない被害が及んでしまいます。
シロアリは土の中にいます。なので、普段日常的にはシロアリを見かけることはまずありません。
しかし、繁殖時期に飛んでいるシロアリを見かけることはあります。そんな普段あまり見かけることのないシロアリをどうやって予防したらいいのでしょうか?
まず初歩的な予防方法を紹介します。
置きっぱなしになっているダンボールも、シロアリにとってはごちそうになります。シロアリにとってのご馳走をそのままにしていると、シロアリを呼び寄せているようなものです。
また、庭にある切り株や、ウッドデッキも注意が必要です。特に切り株は地中に根を張っているので、掘り返すとシロアリの巣があることが多いです。
ウッドデッキもなかなか厄介で、ウッドデッキの下部は通気が悪く湿気がたまりやすい環境になっています。またついやってしまいがちなのが、空いているスペースに物を置いていたりすると、風通しが悪くなってしまい危険になります。
床下の換気をしている、通気口の周囲に雑草が生い茂っていたり、大きな荷物を置いてしい通気を妨げていたりしては、床下の湿気がたまります。適度な湿気はシロアリの好みやすい環境ですので、通気口をふさがないようにしましょう。
例えば、物置と壁の間に風通しがいいように隙間は開けていますか?壁と物置をピッタリくっつけて、風通しを悪くしていませんか?
ちょっとした場所ですが、風通しが悪くなり湿気がたまりやすくなると、シロアリがそこを狙ってきますので注意しましょう。
シロアリはよどんだ空気と、適度な湿気を好みます。つまり逆をいえば、そうでない環境を作ることができれば、シロアリの侵入を防げる可能性がぐーんと上がります。
伸びっぱなしになってる雑草を刈り取ることや、空気の流れを考えて物を避けることであったり、簡単なことでも十分に予防に繋がっていきます。とはいえ、完全に予防できるわけではやはりありません。
気づかない間に、シロアリはすでにやってきているかもしれません…。
そこで、シロアリの被害があるか判断する10項目を紹介します。
項目に当てはまればはまるほど、シロアリの被害が進んでいると考えて下さい。
いかがでしたか?
当てはまる多ければ多いほど、シロアリがすでにいる、あるいは脅威が迫っている可能性があります。
点検項目でもあるので、定期的に気をつけて観察してみてください。
シロアリの被害があるか判断する10項目を、普段から観察するのはいいことですが、もう少し本格的に点検するのは、床下に潜って点検する方法があります。
もし床下に潜ることができるなら、ぜひ潜ってみみましょう。
床下収納庫や、畳を上げて床板を外すと床下にいけます。
実際に自分の目で、現状を確認することはとてもいいことだと思います。チラッと覗き見るだけでもわかることはあるのですが、懐中電灯や工具などを使えば、より詳しく床下を知ることができます。
床下の確認事項を4つ紹介します。
文字にすると簡単そですが、素人が床下に潜るのは危険もあります。もちろん、頭をぶつけてしまったり、汚れてしまうこともあります。
床下に、電気の配線などがあるため、安全を確認しながら行いましょう。
次は天井裏や屋根部分の点検です。床下よりも安全に気をつけて点検を行う必要があります。
シロアリは土の中にいますが、実は土だけではなく天井にも潜んでいる可能性があります。
ゴミなどを取り除いたり、簡単な瓦の割れ程度なら補修のテープで補ったりすると応急処置としては十分ですが、完全な処理には出来きてないので早急に専門の業者に依頼しましょう。
素人が床下に潜って、点検を行うことは危険が伴います。そんな時は、専門家にお願いしてみるのも手段の一つになります。
例えば、床下の配管から水が漏れているとなったら、早めに専門業者に依頼しますよね?配管のトラブルとなると、素人で速やかに処理することは難しからです。
もしも、このこの処理が遅れてしまうと床下は常に湿気で溢れた状態になってしまいます。
他にも基礎の部分で亀裂が入ってたら、その亀裂からシロアリが侵入してくる可能性だってあります。これも素人で対処するのは難しいです。
屋根についても、もちろん業者を積極的に活用するといいでしょう。屋根に登っての作業するのは、危険が大きいです。滑ってしまったりしては大変なことになってしまいます。
また、素人判断で直したと思っていても、実は直せていなかった…。なんてこともあります。せっかく苦労して屋根に登って、そんな結果になってしまったら嫌ですよね?なので、専門業者に任せてみましょう。
予防方法を紹介してきましたが、これでも完全ではありません。やはり根本的にシロアリが侵入しにくい家を作る必要があります。最近では、建築の段階からシロアリ対策をふんだんに取りいれた建築が行われているようです。それは木材の防腐です。
また予防の手段。駆除の手段としてベイト処理という方法もあります。
シロアリの駆除剤を混ぜた餌をシロアリに食べさせ、シロアリを壊滅させる方法になります。これは(社)日本しろあり対策協会が付けた名前になります。
ベイト工法はなるべく少量の薬剤で、環境への被害を最小限にした方法になります。予防として使われることはやや過剰かもしれませんが、効果的ではあるようです。
シロアリの好む餌を入れて、シロアリをおびき出しシロアリがいるかどうかを確認する時にも使われます。その場合は、シロアリがいたら餌に薬剤を混ぜます。
以上が主な業者に任せるべき、予防方法になります。自分の力ではこれ以上どうしようもない、と思う前の早い段階で検討してみてください。
シロアリの予防方法について説明しました。シロアリの予防は、シロアリに家を崩壊させられないための、大事なことです。
しかし、どこにでも生息するシロアリに対して、完全な形で予防するのは難しいです。だからこそ、日頃から点検を意識的に行うことが重要になります。
そして、危険な場所は良い業者に任せましょう。そのほうが後々で楽ができ、何よりも安全に予防を行うことができます。シロアリの被害が進んでしまってからではもう遅い、ということをしっかりと意識していただけると嬉しいです!
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1968年愛知生まれ。一部上場マンション・ハウスメーカーからの転身者という経歴を活かし、「住宅設備を知り尽くした害虫駆除マスター」として大手家電量販店のリフォームセンター業務に従事。シロアリ駆除から水回りの湿気対策まで、床下に特化した工事を多数手がける。