シロアリは、知らないうちに家の大切な構造部分を侵食していきます。初期症状に気づかないまま放置すると、修繕に数百万円単位の費用がかかるケースも珍しくありません。「もしかして…」と感じたら、早期発見・早期対応が何より重要です。
この記事では、シロアリ被害の初期症状を具体的に解説するとともに、自分で簡単にできるセルフチェックリストをまとめました。さらに、初期症状を見逃した場合のリスクや、発見後にすぐ取るべき行動、再発防止のポイントまで、プロ目線でわかりやすくご紹介します。
家の安全を守るためにも、ぜひ最後までお読みください。
シロアリ被害の初期症状とは?

シロアリは建物の内部から静かに侵食を始めるため、気づいたときには被害が大きくなっているケースも珍しくありません。特に木造住宅では、構造材や断熱材など重要な箇所が標的になりやすく、初期段階での発見が非常に重要です。ここでは、実際にシロアリが引き起こす初期症状と被害のメカニズムについて詳しく解説します。
見た目は正常でも内部は空洞になっている
シロアリは木材の内部を好んで食害するため、表面からはわかりづらいのが特徴です。叩くと空洞音がする、床がたわむといった異常は、すでに内部が侵食されている可能性を示しています。
湿気や腐食が発生する理由
シロアリは湿気のある環境を好むため、活動範囲の木材は水分を含みやすくなり、カビや腐敗が発生します。その結果、異臭や木材の変色、断熱材の劣化といった二次被害が生じるのです。
敷地内や構造物に現れる警告サイン
蟻道(ぎどう)や羽アリの出現、基礎周辺の木くずなどは、すでにシロアリが定着し繁殖しているサインです。建物の基礎部分や屋外構造物にも注意を向けることで、深刻な被害を未然に防ぐことができます。
ここで紹介した症状は、あくまでも初期段階でよく見られる一例です。被害が表面化する前に対処するには、しろあり防除士など専門資格を持つ業者による点検が最も確実です。羽アリを発見した際は、その場で駆除せずビニール袋などに保管しておくと、種類の特定や対策判断に役立ちます。
シロアリ初期症状のセルフチェックリスト【保存版】
シロアリの被害は、早期発見が何より重要です。進行すると修繕費が高額になり、住宅全体に深刻なダメージを及ぼすリスクもあります。ここでは、ご自宅で手軽にできるセルフチェック方法をまとめました。忙しい方でも短時間で確認できる内容なので、ぜひ参考にしてください。
チェックポイント一覧と注意点
まずは、目視と簡単な確認動作だけでできるチェックポイントをご紹介します。
シロアリ初期症状のセルフチェックリスト
- 【床や柱を叩く】ポコポコと空洞音がするか
- 【床の沈み】歩くとフワフワと沈む箇所がないか
- 【ドアや窓の開閉】スムーズに動かない箇所がないか
- 【羽アリの発生】室内や玄関付近で羽アリを見かけないか
- 【蟻道(ぎどう)】基礎や庭先に土のトンネルができていないか
- 【壁や床の異変】ひび割れ、浮き、剥がれがないか
注意点として、見た目に異常がなくても安心はできません。シロアリは木材内部を侵食するため、外観上の異常が出るころには、内部で被害がかなり進行しているケースもあります。少しでも異変を感じたら、早めにプロへ相談することをおすすめします。
プロによる点検との違い
セルフチェックは、初期段階で異変に気づくための第一歩に過ぎません。一方、プロによる点検では、以下のような高度な確認が可能です。
- 専用器具による壁内部の湿気・空洞チェック
- 目視では見つからない蟻道や被害範囲の特定
- 被害レベルに応じた的確な駆除・補修提案
プロの点検は、小さな兆候も見逃さず、早期に対策を講じるために欠かせません。無料点検を実施している業者も多いため、「異変があるかも」と感じたら、自己判断せず専門家に相談するのが安全です。
シロアリの初期症状を放置するとどうなる?

シロアリの初期症状を放置すると、建物に深刻な被害が及びます。発見が遅れるほど修繕範囲は広がります。ここでは、被害が進行した際に現れる典型的な症状について解説します。
木材がボロボロに崩れる
シロアリは木材内部から繊維を食い尽くすため、外見は変わらなくても中は空洞化しています。被害が進むと、わずかな力で木材が崩れ落ちる状態になります。特に床下の根太(ねだ)や柱、畳下の構造材が脆くなり、歩行時に沈み込んだり、踏み抜いたりする危険も生じます。特に柱や梁が支えている部分が損傷すると、建物全体を支える耐久性が著しく減少して、建物の寿命が短くなる原因となります。
家の傾き・ドアや窓の開閉不良
シロアリ被害によって土台や柱が劣化すると、建物のバランスが崩れ、家全体が傾くことがあります。その結果、ドアや窓が正常に開閉できなくなる、サッシの枠が歪むといった症状が現れます。また、シロアリに食害された建物は、骨組み内部が空洞化しているため、地震時に建物が受ける揺れや衝撃を吸収する能力が大幅に減少します。地震の揺れによって屋根の重さを支えきれなくなり、建物全体が倒壊したり一部が崩壊したりする可能性があります。
家の修繕費が高くなる
シロアリ被害が進行すると、被害箇所が広がって修理費用が増加します。床材だけでなく根太や大引きなどを食害されると、床全体を張り替える必要が生じます。壁内部でシロアリが活動すると、内部の断熱材や電気配線にも影響が出るため、壁を一部解体して修理を行うことになるため、結果的に修繕費が大幅に高くなります。単なるリフォームでは対応できないケースもあり、最悪の場合は基礎からの大規模な補修工事が必要となることも。修繕費用は数百万円単位に及ぶことも少なくありません。
シロアリ被害で建物の資産価値が低下します
シロアリ被害によって建物に「修繕履歴」が残り、将来の購入希望者に不安を与えて購入価格が下がる可能性があります。またシロアリ被害によって建物の美観が損なわれるので、資産価値を下げる要因となります。シロアリ被害が修繕されていない場合は、建物の買い手や借り手が見つかりにくくなるため、結果的に価格交渉で不利な立場に立たされることがあります。
初期症状に気づいたらすぐにやるべきこと
シロアリ被害の初期症状に気づいたら、自己判断で様子を見るのは非常に危険です。進行を防ぎ、被害を最小限に抑えるためには、迅速かつ適切な対応が欠かせません。以下に、初動で必ず行うべきポイントをまとめます。
専門業者による無料点検を依頼する
初期症状を発見した時点で、すぐにシロアリ専門業者へ無料点検を依頼しましょう。素人判断では被害範囲や進行状況を正確に把握することは困難であり、対応が遅れれば手遅れになるリスクも高まります。
信頼できる業者による点検なら、被害状況だけでなく原因や再発リスクまで総合的に診断してもらえます。早期発見・早期対策を徹底することが、家を守る最善策です。
シロアリ駆除の費用と相場を確認しておく
点検の結果、駆除が必要と判断された場合に備え、シロアリ駆除の費用相場を事前に把握しておきましょう。一般的な戸建て住宅の場合、駆除費用は1平方メートルあたり5,000円〜8,000円程度が目安です(※被害の規模や地域によって異なります)。
複数社から見積もりを取り、サービス内容と金額を比較することで、適正価格で安心できる業者を選びやすくなります。費用面の不安を解消することは、迅速な意思決定にもつながります。
初期症状がひとつでもあれば、迷わずプロに相談しよう
今回は「シロアリの初期症状」についてご紹介しました。シロアリ被害の見分け方や駆除費用について解説しましたが、シロアリ対策で何より大切なことは、定期的な点検とメンテナンスです。ぜひご自身の目でお家を点検してみてください。
初期症状がひとつでも当てはまれば、すでにシロアリ被害が進んでいる可能性もあります。そんなときは、実績豊富なシロアリ駆除の専門家がによる「リムケアの無料現地診断」サービスをご用意しております。お気軽にご相談ください。
シロアリ被害の初期症状を予防するには

シロアリの被害を予防するためには、以下の対策を実施することで、シロアリが侵入・繁殖しにくい環境を作り、被害を未然に防ぐことができます。
湿気の改善
湿気がシロアリの活動を促進するため、建物内外の湿気をコントロールすることが重要です。湿気がこもりやすい床下や基礎に、床下換気扇を設置したり防湿シートを敷くことで、地面からの湿気が建物内部に侵入するのを防ぐことができます。また、水漏れの修理や庭の排水改善を通じて、湿気が溜まりにくい環境を作ります。
排水対策
庭や建物周辺の排水が悪いと、湿気が溜まりやすくなります。排水溝を定期的に清掃して詰まりを防ぐことで、余分な水分を速やかに排出できます。また、雨樋が詰まると雨水が建物の基礎部分に溜まりやすくなります。雨樋に溜まったゴミや落ち葉などを定期的に掃除して、雨水が適切に排水されるように保ちましょう。
水漏れの修理
水道管や排水管に問題があれば早急に修理しましょう。特に、風呂場やトイレなどの床下は状態が分かりづらく、水漏れによってシロアリを引き寄せる原因になります。また、雨漏りやひび割れがあると、建物内部に湿気がたまりやすくなります。屋根や外壁の定期点検を行い、必要に応じて補修を行うことが重要です。
木材の保護
木材を地面に直接接触させないようにし、防腐・防虫処理を施すことでシロアリの侵入を防ぎます。また、庭の枯れ木や倒木を早めに処理し、シロアリの発生源を取り除くことが効果的です。切り株の放置によるシロアリ被害も増えているので、不要な切り株は、伐採抜根しておきましょう。
定期的なシロアリ点検とメンテナンス
専門業者による定期的な点検を受けることで、シロアリ被害を早期に発見して対策を講じることができます。自分でも簡易チェックを行い、蟻道や木材の異常を確認することが大切です。