まず初めに、シロアリは名前に「アリ」とつきますが、アリではありません。
実はあの黒くてガサガサと動く、あれ(ゴキブリ)の仲間なんです。
そんなシロアリの被害は、甚大です。
2013年を基準として、国土交通省が調査した資料があります。その名も、『シロアリ被害実態調査報告書』です。
この調査は全国で5,000件以上を対象として行った調査で、そのうちでなんと約1,000件がシロアリの被害にあっているという調査結果になっています。
ということは、5軒に1軒はシロアリの被害にあう確率になります。
日本には20種類以上のシロアリが、生息していると言われます。そのシロアリの主食は木材だけではなく、基本的には何でも食べてしまいます。
木材はもちろん、コンクリートやプラスチックも食べます。好き嫌いなくと言えば聞こえは良いですが、被害に合うとたまったものではありませんよね…。
また、シロアリの侵入経路ですが、およそ80%が地中の巣から蟻道と呼ばれる道を作り、それを伝って入ってくるといわれています。
蟻道(ぎどう)とは、シロアリが土や泥、糞などで作った乾燥から身を守るための、通り道のことを言います。
この蟻道は空中にも作り上げてしまうというのですから、驚きの一言です。
ただ近年では、配管を侵入経路してくる事も増えてきたようで、決して珍しいことではなくなっています。
シロアリは、一度侵入を許してしまうと、根付いてしまいます。
そしてみるみるうちに繁殖し、シロアリの被害は拡大していきます。その拡大していくスピードは、恐ろしく早いことで知られています。
シロアリにも女王アリがいます。その女王アリが卵を産み続けるので、被害は広がります。女王アリが卵を産む数は、1日で数百個以上と言われています。
また、女王アリの寿命は長く、なんと10年を超えています。
さらになんと、その女王アリが死んだとしても、つぎの女王となる副女王アリいます。
こうして、シロアリの被害はみるみるうちに取り返しのつかない段階へと進んでいってしまいます。
シロアリがいる場合は、家の中で異変が起こることがあります。その異変に気が付くことによって、シロアリの被害を早く防ぐことができます。
場所によってその異変というのは違ってきます。
各項目を簡単に説明します
シロアリは土の中に自分の巣を作ります。なので、地中から家の中に侵入してくることが、ほとんどです。
土の中から侵入してくれば、シロアリの被害に気が付くのも遅くなってしまうことがあります。
シロアリは、湿気のある木材が大好きです。家の中でも湿気がある場所が、シロアリのとっておきの住処になります。
シロアリが新しい巣を作るという時に、シロアリは羽アリになるので人目にも付きやすくなります。「家の中で羽アリを発見」したときは、シロアリに注意しましょう。
廊下などを歩いているときに、頼りないような感触の場合や、へこんでいるような感じがある場合は、シロアリの被害がある、可能性があります。
また、ドアの建付けが今までとは違うな?というような感じがある場合や、床がへこんでいたりする場合は、シロアリに浸食されている可能性があります。
そのまま放置しておくと、柱の継ぎ目なども浸食されていきます。
また、雨漏りしているような場所もシロアリが好みます。天井にも巣を作るということもあるので注意しましょう。
蟻道というのは、シロアリが地面と木部をつなげるために作る道です。土などを使ってトンネルのように作っています。
家の外が鉄でできていたとしても、蟻道を使ってシロアリは家の中に侵入してきます。蟻道はよく、基礎の角の部分に作られやすいです。
床下に潜らなくても、外側から見るとわかることもあります。蟻道があるからといってもシロアリが必ずいるわけではありません。
しかし、放置することなく、シロアリの存在を確認しましょう。
普段壁や床をたたくなんてことは、あまりしませんよね?
しかし、壁や床をたたくことで、シロアリの存在を調べることができます。
ポコポコと空洞音がする場合は、シロアリがいる場合が多いです。金槌などで叩いてみると、わかるという場合がほとんどです。
浸食が激しいときには、少し押すとへこんでしまうこともあります。
木材からシロアリが出てくる場合は、木くずを出してやってきます。
木くずや糞などは、判断するのが難しいので、気になるようであれば、シロアリの駆除業者に「シロアリなのか?」というのを確認してもらいましょう。
このように、シロアリがいる場合は、家に異変が起こります。注意深く観察するようにしましょう。
シロアリの被害と一口でいいますが、実はその被害は2種類あります。
まずは精神的な被害です。虫が苦手な方も多いと思います。シロアリは、ゴキブリの仲間です。
しかもゴキブリよりも数が動いて、飛び回ると、想像すると虫が苦手な人でなくても、衝撃を受けること間違いないはずです。
また、シロアリの被害が起こることで、家が住みづらくなり、不安に感じることも多くなります。
次に、経済的な被害になります。シロアリの被害が加速し、取り返しのつかない段階まで進んでしまうと、リフォームも視野にいれた修繕が必要になります。
そうなると、経済的な被害が生じてしまいます。
では、経済的な負担となる被害は、主にどんな場所なのか、詳しく紹介します。
《柱》
家の中に柱があるように見えないですが、実は壁の中に埋まっています。つまり、見えないからこそ危ない場所です。
シロアリの被害があっても、気がつくのが遅れるため被害の進行が進みます。
床下からわずかに見える柱を確認し、被害が起こっているかどうかを把握する必要があるため、素人では発見も対策も難しい場所と言われています。
《床束》
一階の床を支える束(つか)の事です。床下の柱のことです。こちらも普段では見えない場所のため、被害が大きくなる傾向があります。
また、最近の床束は金属やプラスチック製品のものが増えてきていますが、被害は減ってはいません。シロアリは、金属の表面にも蟻道を作り、被害を増やしています。
《土台》
土台は、外に向けて剥き出しの場合があります。そのため、侵入経路が特定しやすい場所です。
土台は、別の部分にくっついていますが、くっついているわずかな隙間が生じると、そこを狙ってシロアリは侵入してくるので注意が必要です。
※躯体(くたい)は、床や壁、梁など建物の構造を支える骨組のこと。
以上が躯体部分でのシロアリ被害の傾向になります。躯体ではないですが、他にも玄関まわりはシロアリの被害を受けやすい言われています。
なにより地面に近く、シロアリの侵入が簡単にできてしまうからです。
被害が生じてしまうと、修復が必要になることは上で書きました。経済的な負担が精神的な負担にも繋がります。
そして、次に說明するのは水回りでの被害についてです。
シロアリが住みやすい環境とはどんな環境なのか、想像がつきますか?
シロアリの天敵は黒アリです。黒アリがいない場所は、シロアリにとってとても快適な環境といえます。
そして木造建築は、シロアリにとってご馳走に見えているようです。
それにシロアリが快適に過ごすのに、必要なのが水です。
シロアリに限らず、生き物にとって水は必要不可欠なものですが、特にシロアリはジメジメとした湿気を好みます。
そのためシロアリは、黒アリがいない場所で、木造建築の水がある場所を探しています。
家の中でも水を多く使う場所、お風呂場、洗面所、台所、トイレは、シロアリにっとて天国です。
《お風呂場》
最近ではユニットバスが当たり前になってきており、浴室でのシロアリ被害は改善されてきています。
しかし、お風呂場は湿気がたまりやすく、ジメジメした場所になります。そのためシロアリが住みやすい環境です。
《トレイ》
お風呂場と同様、土台や柱でシロアリの被害を受けやすい場所になります。水回りは特に用心が必要です。
《室内》
畳張りの和室は、畳そのものがシロアリの食料になっていることが多く、畳を裏返すとシロアリがびっしりといた、なんてこともあるようです。
また、購入にした中古の家具や、輸入によって運ばれてきた家具を置く場合も注意が必要です。
家具にシロアリが付いていると、そこからシロアリが家中に広がっていく可能性があります。
輸入製品の場合は、特に注意が必要なのが、外来種のアメリカカンザイシロアリです。
その名の通り外来種のシロアリで、近年日本でも猛威を奮っています。
《屋根裏》
雨漏りが原因で、シロアリが大好きな環境になり、シロアリが屋根裏を浸食します。
以上が主な被害が起こりそうな場所になりますが、シロアリの食料となるものがある場所はシロアリの被害に会いやすい場所になります。
ダンボールをまとめて家の外に出してうっかり、そのままにしてしまうと、これはシロアリにとってはご馳走が置いているようなものになります。
ではシロアリの被害が続き、それを放置していたら家はどうなってしまうのでしょうか?
シロアリを1匹見かけても「1匹だけなら、何もしなくても大丈夫だろう。」と考えがちですが、シロアリが1匹だけいるなんてことはありえません。
1匹いれば、その近く数十匹、あるいは数百、数千、数万と…、たくさんのシロアリが潜んでいると考えたほうがいです。
また、自分の家でなくても、ひょっとしたら隣の家からやってきたシロアリの可能性もあります。
シロアリの被害をそのままにしておくと、どうなるのでしょうか?
結論からいうと、家が倒壊する恐れがあります。
日本は特に地震が多い国です。シロアリが家の木材を食い荒らし、躯体の柱などをどんどんと食べ進めていくと、あっというまに木材はスカスカになってしまいます。
そんな状態で、地震がくれば崩れやすくなるのもわかりますよね?
事実、同じ時期に建てられた似たような建物が、地震によって片方が倒壊し、もう片方は無事で終わった。という話があります。
この2つの建物の違いは、シロアリの被害にあっていたか、そうでないかです。
シロアリは躯体部分の柱をまず食べて、耐久性を減らしていくので、シロアリの被害が進んでしまうと耐震性もなくなってしまうのです。
このように倒壊した家を調査するとシロアリ被害にあっていたなんて話はたくさんあるようです。
シロアリの被害が人命にも関わってくると考えると、シロアリのことを安易に考えることがどれだけ危ないことかがよくわかりますよね。
シロアリが家にいる場合は、どんな状態になるのか?を紹介しましたがどのような点を、特にチェックすればいいのか、わからないこともありますよね。
では、自分でセルフチェックする方法について紹介します。
当てはまる項目が0個であることが一番の理想です。
当てはまるのが1個~2個ならまず様子をみましょう。
しかし、3個以上になると、ここから要注意に突入します。シロアリの脅威がもう、すぐそこまできている可能性が非常に高くなります。
注意深く家の周囲や、お風呂周り、台所を観察しシロアリの被害に早く気がつくことが大切になります。
そして5個以上になると、すでにシロアリの被害が進んでしまっている場合があります。
先程も紹介したように、シロアリの被害が進んでしまうと家そのものが倒れてしまうかもしれません。一刻も早い対処が必要になります。
特にシロアリは床下を見ればいるか?いないか?というのがわかります。
そこで、床下を点検する時の、ポイントについて紹介します。
床下に湿気が少しあるのは仕方ありませんが、床下の木材などにカビが発生している場合は、特に注意が必要になります。
基礎部分をしっかりと確認しましょう。蟻道を発見したらドライバーなどで崩してみましょう。シロアリが出てきたら、シロアリが生息しているということです。
空洞音がしたり、木が柔らかくなっていると、被害が進んできているということがあります。
この3つのポイントに注意しながら、床下を確認しましょう。
シロアリから家を守るためにいくつかの方法を実践していれば問題ありません。
その方法について紹介していきます。
床下を乾燥させて湿気のない環境作りが大切です。基礎の通気口はシロアリが侵入するから、塞ぐということはせずに空気の循環をよくしておきましょう。
玄関周りを濡らすと湿気が発生して、木材などが湿気を帯びてしまいます。
なので、できるだけ乾燥した状態を保ちましょう。
シロアリは自然界に普通に存在します。なので、落ち葉や廃材があるとそこに住み着いて、次第に家の中に巣を拡大させてくるということがあります。
なので、廃材や落ち葉を放置しないようにしましょう。
雨漏りや水漏れなどの修理が遅れると、そこにシロアリが巣を作り始めます。
もちろん、天井にも巣を作ります。なので、すぐに修理するようにしましょう。
なにかいつもと床や壁、家の状態がおかしいなと思ったら、すぐにプロに確認してもらいましょう。すぐに対処することでシロアリの被害を防げます。
このように家を守る方法はいくらでもあります。家を守るためにも被害を広げないためにも、毎日の積み重ねが必要です。
覚えておくようにしましょう。
シロアリの被害を発見したら、「もうどうしようもないのでしょうか?」
「いいえ、決してそんな事はありません!」
もちろん、家の基礎部分にまでシロアリの被害が及んでしまっている場合は、リフォームや建て替えを視野に入れなければなりません。
しかし日頃からシロアリの被害がないかどうかの確認をしていれば、だいぶ変わってくるはずです。
それでも、専門の知識がないと対処にしようがない場合もあります。
例えば、柱の中に潜むシロアリを駆除する仕方や、屋根裏の奥や、床下など薬剤の散布がしにくい場所など、優良な業者に依頼することで、自分で行うよりはるかに楽にシロアリの駆除を行えます。
シロアリの活動があるのかないのか、どうしても自分自身では判断のしようがない場合でも、業者を活用することで判断が可能にもなります。
もしも、シロアリの被害に悩み、対処の仕方で困ったのなら、できる限り早いタイミングで専門のシロアリ業者に駆除を依頼することを検討したほうが良いでしょう。
人間にとって安心して生活できる環境を作っていく必要があります。
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1968年愛知生まれ。一部上場マンション・ハウスメーカーからの転身者という経歴を活かし、「住宅設備を知り尽くした害虫駆除マスター」として大手家電量販店のリフォームセンター業務に従事。シロアリ駆除から水回りの湿気対策まで、床下に特化した工事を多数手がける。